青山学院高等部は、東京の中心、渋谷・表参道という流行の最先端を行く街にキャンパスを構える、多くの受験生が憧れる名門私立高校です。しかし、その魅力は単なる学力や立地の良さだけではありません。この学校の真髄は、キリスト教精神に基づいた人間教育と、「自由と責任」を重んじる独特の校風が融合した、唯一無二の学びにあります。このページでは、進学アドバイザーとして、青山学院高等部での高校生活がどのようなものなのか、そのリアルな姿を皆さんと一緒に見ていきたいと思います。

この学校が提供するのは、青山学院大学への内部進学という大きな選択肢があるからこそ実現できる、大学受験のプレッシャーから解放された貴重な3年間です。この「自由」な時間の中で、生徒たちは学業だけでなく、部活動や学校行事、そして自分自身の興味や関心をとことん追求することができます。青山学院高等部には、幼稚園から内部進学してきた生徒、高いハードルを越えて入学した外部生、そして海外経験豊富な帰国生といった多様な仲間が集い、互いに刺激し合いながら成長していく環境が整っています。

これから高校選びを始める中学1年生から、志望校を固めつつある3年生、そしてその保護者の皆様まで、誰もが安心して読み進められるよう、偏差値や進学実績といったデータはもちろん、校則や日々の生活に関する在校生の率直な声まで、あらゆる角度から情報をまとめました。皆さんが「この学校で学びたい!」と思えるかどうか、その判断材料となるよう、親身に、そして詳しく解説していきます。

青山学院高等部の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しましょう。

項目 内容
正式名称 青山学院高等部
公立/私立の別 私立
共学/男子校/女子校の別 共学
所在地 〒150-8366 東京都渋谷区渋谷4-4-25
代表電話番号 03-3409-3880
公式サイトURL http://www.agh.aoyama.ed.jp/

青山学院高等部の偏差値・難易度・併願校

青山学院高等部の偏差値は「72」とされており、これは東京都内でもトップクラスの難易度を誇ります。この数値は、早稲田大学や慶應義塾大学の附属・系属高校に匹敵するレベルであり、入学するためには非常に高い学力が求められることを示しています。

難易度をより具体的にイメージするために、いくつかの側面から見てみましょう。

  • 同じくらいの偏差値の他の高校

    慶應義塾女子高等学校(偏差値74)や中央大学附属高等学校(偏差値69〜71)などが、学力レベルの近い学校として挙げられます。これらの学校を目指す受験生たちと競い合うことになるため、厳しい戦いになることは間違いありません。

  • 合格に必要な内申点の目安

    一般入試だけでなく推薦入試も実施されており、こちらを目指す場合は中学校での成績が極めて重要になります。過去には男子38以上、女子41以上(9教科5段階評価の合計)という基準がありましたが、近年では男女共通で「合計40以上」が出願の目安となっているようです。これは、ほぼオール5に近い成績が必要であることを意味しており、日々の授業態度や定期テストへの真摯な取り組みが合格への第一歩となります。

  • 主な併願校

    青山学院高等部を受験する生徒の多くは、同じようにレベルの高い大学附属・系属校や、都立のトップ校を併願する傾向があります。具体的には、国際基督教大学高等学校(ICU)、中央大学杉並高等学校、中央大学附属高等学校、法政大学国際高等学校などがよく選ばれています。また、大学受験で最難関大学を目指す層が受験する、都立日比谷高等学校、西高等学校、戸山高等学校なども併願先として考えられます。これらの併願校の選択からは、受験生が「大学への進学保証」を重視するか、「より高いレベルの大学受験への挑戦」を視野に入れるか、という戦略が見て取れます。

青山学院高等部に設置されている学科・コース

青山学院高等部には、専門的な学科や細分化されたコースはなく、「普通科」のみが設置されています。

  • 普通科

    特定の分野に特化するのではなく、幅広い教養と深い思考力を育むことを目的としたカリキュラムが組まれています。これは、生徒たちが高校3年間で自分の興味や適性を見極め、大学での専門的な学びへとスムーズに移行できるようにするための教育方針の表れです。2年生、3年生と進級するにつれて選択科目の幅が広がり、文系・理系を問わず、自分の進路希望に合わせた科目履修が可能になります。将来、青山学院大学の多様な学部に進学することを見据え、しっかりとした学力の土台を築きたい生徒におすすめです。

青山学院高等部の特色・校風

青山学院高等部の校風を表すキーワードは、「自由と責任」「落ち着いた雰囲気」「キリスト教精神」「多様性」です。生徒の自主性を尊重する自由な雰囲気がありながらも、その自由には責任が伴うことを学ぶ環境が整っています。

中学生の皆さんが特に気になるであろう、具体的な学校生活の様子を口コミなどから詳しく見ていきましょう。

  • 宿題の量は多いか少ないか

    長期休暇に大量の課題が出るというよりは、日々の授業で小テストが頻繁に行われるスタイルのようです。そのため、毎日コツコツと復習する習慣が自然と身につきます。一夜漬けではなく、継続的な学習が求められる環境と言えるでしょう。

  • 校則は厳しいか緩やかか

    全体的に校則は緩やかで、生徒の自主性に任されている部分が多いという評判です。

    • スマホ:持ち込みは許可されていますが、朝の予鈴から授業終了までは電源を切り、自分のロッカーに施錠して保管するというルールが徹底されています。休み時間や放課後は自由に使用できます。

    • 服装:制服はありますが、着こなしの自由度は高いようです。男子はネクタイの色や柄が自由、女子は数種類あるスカートの布地や色を自由に選べます。指定カバンもなく、リュックやトートバッグなど、思い思いのスタイルで通学しています。

    • アルバイト:禁止されていません。学業に支障が出ない範囲で、社会経験を積むことが認められています。

  • 生徒たちの雰囲気

    「明るく活発な生徒が多い」「いわゆる陽キャばかり」という声が多く聞かれます。一方で、中等部から進学してきた内部生と、高校から入学した外部生との間に、最初は少し壁を感じるという意見もあります。しかし、クラス遠足などの行事を通じてすぐに打ち解けられるという声も多く、基本的には内部・外部の垣根なく仲が良いようです。多様なバックグラウンドを持つ生徒が集まるため、様々な価値観に触れられる刺激的な環境です。

  • 制服の評判はどうか

    伝統的で品のあるデザインが好評です。特に女子の制服は、チェック柄のスカートが数種類から選べるなど、個性を表現できる点が人気を集めています。

  • 土曜授業はあるか

    週5日制のため、土曜日の正規授業はありません。土曜日を部活動や趣味、友人との時間に充てることができ、充実した週末を過ごせます。

青山学院高等部の部活動・イベント

部活動

青山学院高等部は部活動が非常に盛んで、多種多様なクラブや同好会があります。大学受験勉強に追われることが少ないため、多くの生徒が引退まで部活動に熱中できる環境です。

運動部、文化部ともに充実しており、全国レベルで活躍する部から、キリスト教学校ならではのユニークな部まで、選択肢は豊富です。

  • ラグビー部

    「花園」を目指し、東京都でも常に上位に位置する強豪として知られています。厳しい練習を通じて、心身ともに大きく成長できる部です。

  • チアリーディング部

    学校行事や他クラブの応援で華やかに活躍する、人気の高い部です。高いチームワークとパフォーマンス力が求められます。

  • ハンドベル部・聖歌隊

    キリスト教学校ならではの特色ある部活動です。毎日の礼拝やクリスマスなどの宗教行事で美しい音色や歌声を披露し、学校の神聖な雰囲気を創り出しています。

  • 馬術部

    高校の部活動としては非常に珍しい馬術部があります。馬と触れ合いながら、他では得られない貴重な経験を積むことができます。

イベント

学校行事は生徒が主体となって運営され、非常に盛り上がります。クラスや学校全体の一体感が生まれる大切な機会となっています。

  • 文化祭

    毎年9月に行われる最大のイベントです。クラスごとの展示や発表、部活動の成果披露、有志団体によるパフォーマンスなど、キャンパス全体が熱気に包まれます。企画から運営まで生徒が中心となって行うため、自主性や協調性が養われます。そのクオリティの高さは外部からも評判です。

  • バレーボール大会

    青山学院高等部には、一般的な「体育祭」がありません。その代わりとして、全校を挙げて行われるのがバレーボール大会です。クラスごとにお揃いのTシャツを作り、優勝を目指して一丸となって戦うこの大会は、体育祭に勝るとも劣らない盛り上がりを見せます。

  • 修学旅行

    2年生の時に行われる修学旅行は、単なる観光旅行ではありません。「平和・共生学習」の一環として、九州・長崎を訪れます。現地でのインタビューや高校生とのディスカッションなどを通じて、平和や歴史について深く学ぶ、探究型の学習旅行です。

青山学院高等部の進学実績

青山学院高等部の卒業生の進路は、大きく二つの道に分かれます。

最も大きな特徴は、卒業生の約85%が推薦により青山学院大学へ進学することです。これは、高等部での3年間の学業成績や学力テストの結果などを総合的に判断して決定されます。ただし、全員が希望の学部に進めるわけではなく、経営学部や国際政治経済学部などの人気学部へ進学するためには、高校での優秀な成績が不可欠です。

一方で、卒業生の約15%は、より高い目標や専門分野を求めて他大学を受験します。内部進学の権利を持たない厳しい道を選びながらも、非常に優れた合格実績を残しており、生徒全体の学力レベルの高さを証明しています。

以下に、2025年の主な大学合格実績をまとめました。

  • 国公立大学

    • 東京大学:3名

    • 一橋大学:1名

    • 東京藝術大学:1名 など

  • 難関私立大学

    • 早稲田大学:15名

    • 慶應義塾大学:22名

    • 上智大学:4名

    • 東京理科大学:1名

    • 明治大学:6名

    • 立教大学:6名 など

他大学を受験する生徒に対しては、長期休暇中の受験講座が開講されるなど、学校側のサポート体制も整っているようです。しかし、学校全体の雰囲気は大学受験一色ではないため、外部受験を目指すには強い意志と自己管理能力が求められます。

青山学院高等部の特長・アピールポイント

他の高校にはない、青山学院高等部ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

  • キリスト教に基づく人間教育

    毎日の礼拝や聖書の授業を通じて、「地の塩、世の光」というスクール・モットーを学びます。これは、他者への奉仕や社会への貢献を大切にする心を育む、人格形成の土台となっています。

  • 受験に縛られない、自由で主体性を重んじる校風

    約85%が内部進学できるため、多くの生徒が大学受験勉強に追われることなく、部活動や生徒会活動、趣味や探究学習に打ち込めます。この環境が、生徒の自主性やリーダーシップを大きく伸ばします。

  • 充実した国際交流プログラム

    イギリスやイタリアの姉妹校との短期交換留学、夏休みのカナダホームステイ、フィリピンや東ティモールへのスタディツアーなど、多彩なプログラムが用意されています。語学力だけでなく、異文化理解や国際的な視野を広げる絶好の機会です。

  • 高大連携による早期学問体験

    青山学院大学の教授による「学問入門講座」を受講したり、実際に大学の授業を履修したりすることができます。高校にいながら大学レベルの学問に触れることで、知的好奇心が刺激され、将来の進路を具体的に考えるきっかけになります。

  • 都心ならではの恵まれた立地と美しいキャンパス

    渋谷・表参道というアクセス抜群の場所にありながら、緑豊かで落ち着いた美しいキャンパスが魅力です。放課後の活動の幅も広がり、充実した高校生活を送るための最高のロケーションと言えるでしょう。

  • 多様な背景を持つ生徒との出会い

    内部進学生、外部からの入学生、海外からの帰国生が約3分の1ずつ在籍しており、非常に多様性に富んだ生徒構成となっています。様々な価値観を持つ仲間との出会いは、視野を広げ、人間的に大きく成長させてくれます。

青山学院高等部の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からのリアルな声を集め、良い点と少し気になる点を公平にまとめました。

  • 良い点

    • 「とにかく高校生活が楽しい」という声が圧倒的に多いです。大規模で盛り上がる文化祭やクラス一丸となるバレーボール大会など、行事が充実しており、最高の思い出が作れるようです。

    • 「先生も友人もレベルが高い」という意見も目立ちます。優秀で個性的な教員陣と、様々なバックグラウンドを持つ刺激的な仲間に囲まれ、充実した3年間を過ごせる環境です。

    • 「施設が綺麗で立地も最高」という点は、多くの生徒が挙げる魅力の一つです。手入れの行き届いた美しい校舎と、渋谷・表参道という便利な立地は、日々の学校生活の満足度を高めています。

    • 「大学受験のプレッシャーがない安心感」は、この学校の最大の特長です。受験勉強に追われることなく、部活動や自分の好きなことに打ち込める貴重な時間が得られます。

  • 気になる点

    • 「内部生と外部生の間に最初は壁がある」という声が一部で見られます。特に高校から入学した外部生は、すでに友人関係が出来上がっている内部生の輪に入るのに少し時間がかかることがあるようです。ただし、行事などを通じてすぐに解消されることが多いようです。

    • 「学習意欲が下がりやすい環境かもしれない」という指摘もあります。大学受験という明確な目標がないため、自主的に勉強する習慣がないと、学力が伸び悩む可能性があります。他大学受験を考えている人は、周囲に流されない強い意志が必要です。

    • 「先生は手厚く面倒を見るタイプではない」という意見もあります。生徒の自主性を尊重する校風のため、細かく指示されたり、手厚くサポートされたりすることを期待していると、物足りなさを感じるかもしれません。

    • 「いわゆる『陽キャ』が多く、おとなしいタイプは馴染みにくいかもしれない」という声も。明るく社交的な生徒が多いため、内向的な性格の生徒は、最初は少し戸惑うことがあるかもしれません。

アクセス・通学

青山学院高等部は、都内でも有数の交通の便が良い場所にあります。

  • 最寄り駅からのアクセス

    • 東京メトロ 銀座線・千代田線・半蔵門線「表参道駅」B1出口より徒歩約5分

    • JR山手線・埼京線、東急線、京王井の頭線「渋谷駅」宮益坂方面出口より徒歩約10分

複数の路線が利用できるため、東京23区内はもちろん、神奈川県、埼玉県、千葉県など、首都圏の広い範囲から生徒が通学しています。特に渋谷駅や表参道駅を乗り換えなしで利用できる沿線に住んでいる生徒にとっては、非常に通いやすい立地です。

青山学院高等部受験生へのワンポイントアドバイス

青山学院高等部を目指す皆さん、こんにちは。進学アドバイザーとして、最後に皆さんへエールを送ります。

この学校は、「やらされる勉強」ではなく「自ら学ぶ楽しさ」を見つけたい生徒、そして勉強だけでなく部活動や学校行事にも全力で打ち込む、バランスの取れた高校生活を送りたいと願う君にこそ、強くおすすめします。青山学院高等部が求めるのは、高い学力はもちろんのこと、与えられた自由をどう活かすかを自分で考え、行動できる主体性です。多様な仲間たちと共に、刺激的な3年間を過ごしたいと考えるなら、ここは最高の舞台になるでしょう。

青山学院高等部への合格を勝ち取るためには、まず、英語・数学・国語の3教科で、難問にも対応できる確かな学力を身につけることが不可欠です。そして、それと同じくらい大切なのが、中学校での成績、つまり内申点です。特に推薦入試を考えているなら、日々の授業を大切にし、定期テストで着実に結果を出すことが合格への絶対条件となります。この学校は、君が今、目の前の勉強に真摯に取り組む姿勢をしっかりと見ています。夢のキャンパスライフを目指して、頑張ってください!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。