鹿児島市立鹿児島玉龍高等学校は、鹿児島市にある歴史と伝統を誇る進学校です。中高一貫教育校でありながら、高校からの入学者も多く受け入れており、多様なバックグラウンドを持つ生徒たちが共に高め合える環境が魅力です。通称「玉龍(ぎょくりゅう)」として親しまれ、文武両道を掲げ、学問だけでなく部活動や学校行事にも全力で取り組む校風が根付いています。

この記事では、そんな鹿児島玉龍高等学校について、受験生の皆さんが本当に知りたい情報を、進学アドバイザーの視点から分かりやすく解説していきます。偏差値や進学実績といった学習面はもちろん、学校生活のリアルな様子が伝わる校風や口コミ、特色あるイベントまで、幅広くご紹介します。

これから始まる高校生活は、皆さんにとってかけがえのない3年間になるはずです。悔いのない学校選びができるよう、鹿児島玉龍高等学校が持つたくさんの魅力を、一つひとつ丁寧に見ていきましょう。この記事が、皆さんの進路選択の一助となれば幸いです。

鹿児島市立鹿児島玉龍高等学校の基本情報

鹿児島市立鹿児島玉龍高等学校の基本的な情報をまとめました。中高一貫校ですが、高校からの入学も可能です。

項目 内容
正式名称 鹿児島市立鹿児島玉龍高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒892-0806 鹿児島県鹿児島市池之上町20番57号
代表電話番号 099-247-7161
公式サイト https://www.keinet.com/gyokuk/

鹿児島市立鹿児島玉龍高等学校の偏差値・難易度・併願校

鹿児島玉龍高等学校への合格を目指す上で、偏差値や難易度を把握しておくことはとても大切です。ここでは、具体的な数値と共に、合格の目安や併願校について解説します。

偏差値

  • 普通科:63

鹿児島玉龍高等学校の偏差値は県内でもトップクラスに位置しており、入試難易度は高いと言えます。

難易度・内申点の目安

偏差値が近い公立高校としては、鶴丸高校(73)、甲南高校(69)、鹿児島中央高校(67)などが挙げられます。 これらの高校と共に、鹿児島市内の上位進学校として知られています。

合格に必要な内申点の具体的な目安は公表されていませんが、鹿児島県の公立高校入試では中学3年生の成績が評価対象となります。 主要5教科だけでなく、実技4教科も重視される傾向があるため、中学生活を通して高いレベルの成績を維持することが求められます。

主な併願校

鹿児島県の公立高校入試では、基本的に公立高校同士の併願はできません。そのため、鹿児島玉龍高等学校を第一志望とする受験生の多くは、滑り止めとして私立高校を受験します。

主な併願校としては、以下のような高校が挙げられます。

  • ラ・サール高等学校

  • 樟南高等学校(文理コース)

  • 鹿児島実業高等学校(文理科)

  • 池田高等学校

  • 志學館高等部

鹿児島市立鹿児島玉龍高等学校に設置されている学科・コース

鹿児島玉龍高等学校に設置されているのは「普通科」のみです。しかし、その教育内容は非常に充実しており、特に理数教育に力を入れているのが大きな特徴です。

  • 普通科

    • どんなことを学ぶ場所なのか:文系・理系を問わず、国公立大学や難関私立大学への進学を目指すための高いレベルの学力を養います。2年生からは文系・理系に分かれ、それぞれの進路希望に応じた専門的な学習を深めていきます。

    • どんな生徒におすすめか:将来、大学進学を強く希望し、高いレベルの仲間と切磋琢磨しながら学力を伸ばしたい生徒におすすめです。

また、鹿児島玉龍高等学校は文部科学省から「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」の指定を受けています。 これにより、通常のカリキュラムに加えて、科学技術や理科・数学に関する先進的な教育を受けることができます。大学や研究機関と連携した課題研究など、探究的な学習活動が豊富に用意されており、科学への興味・関心を深め、論理的思考力や問題解決能力を育む絶好の機会となっています。

鹿児島市立鹿児島玉龍高等学校の特色・校風

鹿児島玉龍高等学校には、創立以来受け継がれてきた伝統と、時代に合わせて進化する新しい文化が共存しています。

校風

キーワードで表すと「文武両道」「自主自律」「SSH(スーパーサイエンスハイスクール)」といった言葉がぴったりです。 校訓である「潑剌・躍進・玲瓏」の精神のもと、生徒たちは勉強だけでなく部活動や行事にも全力で打ち込んでいます。 中高一貫校であるため、中学生と高校生が交流する機会も多く、落ち着いた雰囲気の中で、先輩が後輩を導く良い関係性が築かれています。

生徒たちのリアルな声(口コミ・評判より)

  • 宿題の量:課題や小テストは多いという声が見られます。特に予習・復習を前提とした授業が多いため、日々の家庭学習は欠かせないようです。

  • 校則:以前に比べて髪型に関する校則が緩やかになるなど、時代に合わせて見直されている部分もあるようです。 スマートフォンの校内での使用は制限されていますが、調べ学習などでパソコンやタブレット端末を活用する機会は多いです。 アルバイトは原則として禁止されています。

  • 生徒たちの雰囲気:真面目で落ち着いた生徒が多い一方で、学校行事などでは非常に活発で、一体となって盛り上がるようです。高い目標を持つ仲間が多く、互いに刺激し合える環境だという意見が多く見られます。

  • 制服の評判:伝統的で品のあるデザインが好評です。 中学校と高校で同じ制服であり、長く着用できる点も特徴です。

  • 土曜授業:平常授業はありませんが、模試や補習などが行われることがあるようです。

鹿児島市立鹿児島玉龍高等学校の部活動・イベント

部活動

鹿児島玉龍高等学校は「文武両道」を掲げており、部活動が非常に盛んです。 運動部、文化部ともに多くの部が県大会上位を目指して活発に活動しています。

  • 特に有名な部活動

    • ラグビー部:伝統的に強豪として知られ、花園(全国高等学校ラグビーフットボール大会)への出場経験も豊富な部です。

    • 剣道部:男女ともに県内トップレベルの実力を誇り、インターハイなどの全国大会で活躍しています。

    • 放送部:全国大会の常連であり、アナウンスや番組制作など様々な部門で高い評価を得ています。

    • 應援團部:玉龍の伝統を象徴する部活動の一つ。後述するスポーツ交歓会などで、全校生徒を力強くまとめ上げます。

この他にも、野球、サッカー、テニス、バスケットボールなどの運動部や、吹奏楽、書道、美術、サイエンス部といった文化部も充実しており、多くの生徒が部活動に加入し、充実した高校生活を送っています。

イベント

鹿児島玉龍高等学校の学校行事は、生徒たちが主体となって創り上げるものが多く、非常に盛り上がります。

  • スポーツ交歓会(玉中戦):毎年5月に行われる、甲南高校との伝統の一戦です。 野球、サッカー、ラグビー、剣道など10種目で熱戦が繰り広げられ、全校生徒が一体となって応援する姿は圧巻です。 この日のために應援團部を中心に練習を重ね、学校全体が最高の盛り上がりを見せます。

  • 昇龍祭(文化祭):6月に行われる文化祭で、各クラスや文化部が趣向を凝らした展示やステージ発表、バザーなどを行います。 中高合同で行われるため規模も大きく、生徒たちの創造性や個性が発揮される場となっています。

  • 体育祭:9月に開催され、学年対抗で様々な競技が行われます。 特に、各学年が披露する応援合戦は見ごたえがあり、クラスや学年の団結力が深まる一大イベントです。

  • 修学旅行:例年、海外を訪れることが多く、異文化に触れる貴重な体験ができます。

鹿児島市立鹿児島玉龍高等学校の進学実績

鹿児島玉龍高等学校は、県内でも有数の進学校として、輝かしい大学進学実績を誇っています。生徒一人ひとりの進路目標達成に向けた手厚いサポート体制が、その実績を支えています。

最新の大学進学実績(2024年度入試)

  • 国公立大学

    • 東京大学:1名

    • 京都大学:1名

    • 旧帝大+一工※:10名

    • 鹿児島大学:多数

    • その他、九州大学をはじめとする全国の国公立大学に多くの合格者を出しています。

  • 難関私立大学

    • 早慶上理ICU:2名

    • GMARCH・関関同立:19名

(※旧帝大+一工:北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学、一橋大学、東京工業大学)

進学サポート

高い進学実績の背景には、学校独自の充実したサポート体制があります。

  • 課外授業・補習:生徒の学力向上と進路希望の実現のため、早朝や放課後、長期休暇中に様々な講座が開かれています。

  • 安田ホール:放課後に自習室として開放される多目的スペースがあり、多くの生徒が集中して学習に取り組んでいます。

  • 手厚い進路指導:教員が生徒一人ひとりの進路に親身に寄り添い、面談や学習相談などを通じてきめ細やかな指導を行っています。

鹿児島市立鹿児島玉龍高等学校の特長・アピールポイント

数ある高校の中から鹿児島玉龍高等学校が選ばれる理由、それは他校にはないユニークな魅力があるからです。

  • スーパーサイエンスハイスクール(SSH)としての探究活動:SSH指定校として、先進的な理数教育を受けることができます。 興味のあるテーマを深く掘り下げげる課題研究は、知的好奇心を満たし、大学での学びに繋がる貴重な経験となります。

  • 熱い伝統行事「玉中戦」:ライバル校である甲南高校とのスポーツ交歓会は、学校全体が一つになる最高のイベントです。 全校応援の熱気や、仲間と勝利を目指す経験は、一生の思い出になるでしょう。

  • 中高一貫校ならではの多様な人間関係:高校から入学する「高入生」と、中学校から内部進学する「中入生」が共に学ぶ環境は、大きな刺激となります。 異なる環境で育った仲間との交流を通じて、視野を広げることができます。

  • 充実した学習サポートと自習環境:放課後に利用できる自習スペース「安田ホール」や、いつでも質問に対応してくれる先生方の手厚いサポートなど、集中して学習に取り組める環境が整っています。

  • 歴史と文化が息づく学習環境:学校が建つ場所は、かつて薩摩藩の学問の中心地であった「玉龍山福昌寺」の跡地です。 歴史と伝統を感じられる由緒ある地で学べることは、玉龍ならではの魅力です。

  • グローバルな視野を育む機会:修学旅行では海外を訪れるなど、国際性を育むためのプログラムも用意されています。

鹿児島市立鹿児島玉龍高等学校の口コミ・評判のまとめ

ここでは、在校生や卒業生から寄せられるリアルな声をまとめてみました。良い点と気になる点の両方を知ることで、より深く学校を理解することができるでしょう。

良い点

  • 「先生方がとても熱心で、質問にも丁寧に対応してくれるので、安心して勉強に打ち込める」という声が多数あります。

  • 「玉中戦や文化祭、体育祭などの行事が本当に楽しく、クラスや学年の絆が深まる」といった、学校行事の充実度を評価する意見が多いようです。

  • 「SSHの活動を通して、自分の興味がある分野を深く探究できた」「プレゼンテーションの機会が多く、表現力が身についた」など、特色ある教育プログラムへの満足度も高いです。

  • 「高い目標を持った友人が多く、お互いに高め合える環境が素晴らしい」という声も多く聞かれます。

  • 「落ち着いた雰囲気で、学習に集中しやすい環境が整っている」という点も、多くの生徒に支持されています。

気になる点

  • 「課題や小テストが多く、予習・復習が大変だと感じることもある」といった、学習面の厳しさに関する意見があります。

  • 「校則が少し厳しいと感じる部分もある」という声も一部で見られますが、近年は緩和される傾向にあるようです。

  • 「坂の上にあるため、毎日の通学が少し大変」という、立地に関する意見もあります。

  • 「施設の一部は新しくはないが、学習に必要な設備は整っている」という声もあります。

アクセス・通学

鹿児島玉龍高等学校への主なアクセス方法は以下の通りです。

  • 最寄り駅からのアクセス

    • JR「鹿児島駅」より徒歩約17分

    • 鹿児島市電「鹿児島駅前」電停より徒歩約17分

    • 鹿児島市電「桜島桟橋通」電停より徒歩約17分

  • 最寄りバス停からのアクセス

    • 「玉龍高校前」バス停より徒歩約5分

    • 「皷川(つづみがわ)」バス停より徒歩約7分

鹿児島市内の中心部に位置しているため、市内全域から多くの生徒がバスや電車を利用して通学しています。

鹿児島市立鹿児島玉龍高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

鹿児島玉龍高等学校を目指している皆さん、こんにちは。進学アドバイザーとして、最後に皆さんへエールを送ります。

鹿児島玉龍高等学校は、ただ大学進学のためだけに勉強する場所ではありません。SSHでの探究活動や、仲間と一丸となる学校行事、そして文武両道を実践する部活動を通して、これからの人生の礎となる「人間力」を育むことができる学校です。知的好奇心が旺盛で、「なぜ?」を深く探究したい人、そして高い目標に向かって仲間と共に努力し、成長したいと強く願う人に、特におすすめします。

鹿児島玉龍高等学校の入試を突破するためには、まず中学校での学習内容を完璧に定着させることが不可欠です。苦手科目をなくし、全教科で安定して高得点を取れる基礎学力を身につけましょう。その上で、思考力や応用力を問う問題にも対応できるよう、過去問や発展的な問題集にも積極的にチャレンジしてください。大変な道のりかもしれませんが、その努力の先には、素晴らしい仲間と充実した3年間が待っています。自分を信じて、最後まで頑張り抜いてください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。