足利工業高等学校は、1895年(明治28年)にその前身である「栃木県工業学校」が創立されて以来、120年以上の長い歴史と伝統を誇る工業高校です。 通称「足工(あしこう)」として地域に親しまれ、ものづくりを通して社会に貢献できる人間性豊かな工業人の育成を目指しています。 これまでに多くの卒業生を産業界に送り出してきました。

専門的な知識や技術を学ぶだけでなく、充実した学校行事や部活動を通して、豊かな人間性を育むことができるのが足利工業高等学校の大きな魅力です。 「ものづくりが好き」「専門的なスキルを身につけたい」という気持ちを持つ中学生にとって、足利工業高等学校は夢を実現するための最高の舞台となるでしょう。

この記事では、そんな足利工業高等学校について、偏差値や学科の特色、学校生活の様子などを詳しく紹介していきます。あなたの高校選びの参考に、ぜひ最後まで読んでみてください。

足利工業高等学校の基本情報

項目 内容
正式名称 栃木県立足利工業高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒326-0817 栃木県足利市西宮町2908-1
代表電話番号 0284-21-1318
公式サイト http://www.tochigi-edu.ed.jp/ashikagakogyo/nc2/

足利工業高等学校の偏差値・難易度・併願校

足利工業高等学校の偏差値は42とされています。 これは、基礎基本をしっかりと身につけていれば、十分に合格を目指せるレベルと言えるでしょう。

同じくらいの偏差値の高校としては、近隣の工業高校などが挙げられます。合格に必要な内申点の目安としては、中学校での成績が5段階評価で平均3程度あると安心できるでしょう。ただし、これはあくまで目安であり、当日の試験の得点も重要になります。

栃木県の公立高校入試制度では、原則として公立高校同士の併願はできません。そのため、足利工業高等学校を第一志望とする場合、併願校は私立高校から選ぶことになります。主な併願校としては、近隣の私立高校などが考えられます。

足利工業高等学校に設置されている学科・コース

足利工業高等学校には、専門分野に特化した3つの学科が設置されており、それぞれの興味や将来の夢に合わせて学ぶことができます。

  • 機械科

    • ものづくりの基礎となる機械の設計・製作・制御などについて幅広く学びます。機械いじりや、自分の手で何かを作り出すことが好きな生徒におすすめです。

  • 電気システム科

    • 電気エネルギーや情報通信技術について専門的に学びます。2年次からは「電気コース」と「電子機械コース」に分かれ、より専門性を深めます。 電気やコンピュータに興味がある生徒にぴったりの学科です。

  • 産業デザイン科

    • 豊かな発想力と表現力を養い、工業製品や生活用品などをデザインする力を身につけます。 ものづくりとアートの両方に興味がある生徒におすすめです。

足利工業高等学校の特色・校風

足利工業高等学校の校風は、「質実剛健」という言葉で表現されます。これは、飾り気がなく真面目で、心身ともに強くたくましいことを意味し、120年以上の歴史の中で受け継がれてきた建学の精神です。

  • 宿題の量:工業高校という特性上、レポートや製図などの課題が出されることがありますが、毎日大量の宿題に追われるというよりは、実習や資格取得に向けた学習に力を入れているようです。

  • 校則:校則は標準的な内容で、特に厳しすぎるということはないようです。制服の着用が義務付けられており、男子は詰襟の学生服、女子は紺色のブレザーです。

  • 生徒たちの雰囲気:ものづくりが好きな生徒が多く集まっているため、真面目で落ち着いた雰囲気があるようです。一方で、部活動や学校行事には活発に取り組む生徒も多く見られます。

  • アルバイト:アルバイトは原則として禁止されているようです。学業や部活動に専念することが推奨されています。

  • 制服の評判:男子の学ラン、女子のブレザーともに伝統的で落ち着いたデザインで、評判は良いようです。

  • 土曜授業:基本的に土曜授業はありません。

足利工業高等学校の部活動・イベント

部活動

足利工業高等学校は部活動が非常に盛んで、多くの生徒が加入し、充実した高校生活を送っています。運動部、文化部ともに活気があり、特にレスリング部や産業デザイン科の研究部は全国レベルでの活躍も見られます。

  • レスリング部:関東大会や全国大会の常連校として知られ、多くの実績を残しています。

  • 機械研究部、電気研究部、産業デザイン研究部、電子機械研究部:それぞれの専門分野の知識や技術を生かし、ロボットコンテストやデザインコンテストなどで優秀な成績を収めています。 全国高校生ロボット競技会では最優秀賞の受賞歴もあります。

イベント

足利工業高等学校では、生徒たちの手で作り上げる学校行事が年間を通して数多く開催されます。

  • 足工祭(文化祭):毎年秋に開催される文化祭は、各クラスや文化部が日頃の学習や活動の成果を発表する最大のイベントです。専門知識を活かした展示や体験コーナーは工業高校ならではで、毎年多くの来場者で賑わいます。

  • クラスマッチ:サッカーなどの球技を中心に、クラス対抗で熱戦が繰り広げられます。

  • マラソン大会:渡良瀬川の河川敷をコースとして実施され、生徒たちは体力づくりに励みます。

足利工業高等学校の進学実績

足利工業高等学校の卒業後の進路は、就職と進学がおよそ7:3の割合です。 就職希望者の内定率は毎年ほぼ100%を維持しており、地域産業を支える多くの企業から高い評価を得ています。

進学については、工業高校の専門知識を活かせる大学や専門学校への進学が中心です。特に、足利大学とは高大連携事業を行っており、進学する生徒もいます。 多くの生徒が推薦入試やAO入試を利用して進学しています。

  • 主な進学先大学:足利大学、関東学園大学など

  • 主な進学先専門学校:自動車整備やデザイン、情報、看護、福祉、調理など、多様な分野の専門学校へ進学しています。

  • 主な就職先:栃木県内を中心に、製造業などの地元優良企業へ多数就職しています。

就職・進学いずれの進路にも対応できるよう、放課後には進学補講なども実施し、生徒一人ひとりの希望進路の実現をサポートしています。

足利工業高等学校の特長・アピールポイント

足利工業高等学校には、他の高校にはない独自の魅力的な取り組みがたくさんあります。

  • 120年以上の歴史と伝統:日本で最も歴史のある工業高校の一つであり、長年にわたり培われてきた教育ノウハウと産業界との太いパイプがあります。

  • 充実したキャリア教育:工場見学やインターンシップ、3年生の希望者を対象とした「職場実習」などを通して、実践的な技術力と職業観を養います。 この取り組みは高く評価され、『キャリア教育優良学校』として文部科学大臣表彰も受けています。

  • 高大連携事業:足利大学と連携し、3年生の希望者が大学で研究を行う機会を設けています。 大学レベルの学びに触れることで、より高度な知識や技術を習得できます。

  • 資格取得への手厚いサポート:ジュニアマイスター顕彰制度に力を入れており、多くの生徒が様々な資格取得に挑戦しています。その成果は「学校表彰」を受けるなど、全国的にも高く評価されています。

  • 国際交流活動:ドイツのカールゼヴェリンク実業高等専門学校と姉妹校提携を結んでおり、国際的な視野を広げる機会があります。

  • 地域に根差した「5S運動」:足利市が推進する「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」の5S運動を学校全体で取り入れ、社会人としての基礎力を育んでいます。

  • 専門性を極める実習設備:各科に独立した実習棟があり、様々な工作機械や計測機器など、専門的な学習に必要な施設・設備が充実しています。

足利工業高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、専門的な学びと将来に直結する進路指導に対する高い評価が寄せられています。

  • 良い点

    • 「就職に非常に強く、先生方のサポートも手厚い」

    • 「資格がたくさん取れるので、自分のスキルアップにつながる」

    • 「専門的なことを学びたい人には最高の環境」

    • 「工業やデザインに興味がある生徒なら満足できる授業が多い」

    • 「就職も進学も幅広い選択肢がある」

  • 気になる点

    • 「校舎が古く、冬は少し寒いと感じることがある」

    • 「女子生徒の割合が少ない学科もある」

    • 「駅から少し距離がある」

アクセス・通学

足利工業高等学校へのアクセス方法は以下の通りです。

  • 最寄り駅:JR両毛線「足利駅」、東武伊勢崎線「足利市駅」

  • アクセス:

    • JR「足利駅」北口から徒歩約25分(約2km)

    • 東武「足利市駅」南口から徒歩約27分(約2km)

足利市内や佐野市、太田市など、近隣のエリアから自転車や公共交通機関を利用して通学している生徒が多いようです。

足利工業高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

足利工業高等学校は、「ものづくりが好き」という気持ちを、将来の夢へとつなげることができる素晴らしい学校です。もしあなたが、何かを自分の手で作り出すことに喜びを感じたり、専門的な技術を身につけて社会で活躍したいと強く願っていたりするなら、足利工業高等学校は最高の選択肢となるでしょう。

受験勉強においては、まずは中学校で学ぶ5教科の基礎を固めることが最も重要です。特に、数学や理科は、入学後の専門科目の学習に直結しますので、苦手意識がある人は今のうちからしっかりと復習しておきましょう。また、面接では「なぜこの学校で学びたいのか」「将来どんな技術者になりたいのか」といった、あなたの熱意や目的意識が問われます。自分の言葉でしっかりと伝えられるように準備しておくことが大切です。

あなたの「好き」を未来の力に変える3年間が、ここ足利工業高等学校で待っています。頑張ってください!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。