小山工業高等専門学校は、栃木県小山市にある国立の高等専門学校で、中学校を卒業した生徒が5年間の一貫教育を受けることができるユニークな学校です。普通科の高校とは異なり、15歳という早い段階から工学系の専門知識と技術を深く学べるのが最大の特長と言えるでしょう。「高専」の愛称で親しまれ、その歴史は60年を超え、地域社会を支える優秀な技術者を数多く輩出してきました。
小山工業高等専門学校の基本情報
小山工業高等専門学校の偏差値・難易度・併願校
偏差値
機械工学科: 62 電気電子創造工学科: 62 物質工学科: 62 建築学科: 62
難易度
主な併願校
作新学院高等学校 宇都宮短期大学附属高等学校 佐野日本大学高等学校 國學院大學栃木高等学校
小山工業高等専門学校に設置されている学科・コース
機械工学科
エンジンからロボットまで、あらゆる「機械」の設計・製作について幅広く学びます。ものづくりの根幹を支える技術者になりたい人におすすめです。 電気電子創造工学科
エネルギー、情報通信、エレクトロニクスといった現代社会に不可欠なハイテク技術を学びます。スマートフォンやコンピュータの仕組みに興味がある人にぴったりです。 物質工学科
化学や生物、物理といった多角的な視点から、新しい機能を持つ材料や環境にやさしい技術を開発することを学びます。新素材開発や環境問題の解決に貢献したい人におすすめです。 建築学科
建物の設計やデザインはもちろん、歴史や環境、構造など、建築を総合的に学びます。人々が快適に暮らせる空間を創造したい人におすすめです。
小山工業高等専門学校の特色・校風
宿題の量
レポートや課題は多い傾向にあるようです。特に専門科目の学習が進むにつれて、実験レポートなどに追われることが多くなりますが、その分、着実に実力がつきます。 校則
校則は非常に緩やかで、服装も自由です。髪を染めたりピアスを開けたりすることも禁止されていません。バイクや自動車の免許取得も可能で、条件を満たせば通学も認められています。この自由さは、学生一人ひとりの自主性を尊重する校風の表れと言えるでしょう。 生徒たちの雰囲気
「オタクが多い」という声があるように、何か一つのことに熱中している学生が多いようです。鉄道や自転車、アニメなど、様々なジャンルの趣味を持つ仲間と出会えるため、互いの個性を認め合い、尊重する雰囲気が根付いています。 アルバイト
アルバイトは原則として許可制ですが、多くの学生が経験しているようです。学業との両立が前提となります。 制服
制服はなく、私服での通学となります。常識の範囲内であれば、自分の好きな服装で学校生活を送ることができます。 土曜授業
基本的に土曜授業はありません。
小山工業高等専門学校の部活動・イベント
部活動
特徴的な部活動 機械工作研究部・エレクトロニクス研究部: 「高専ロボコン」の常連として全国的に有名です。2023年の全国高専ロボコン大会では、関東甲信越地区大会で優勝し、全国大会でデザイン賞を受賞するなど、輝かしい実績を誇っています。ものづくりのアイデアを形にする楽しさを存分に味わえる部活です。 加速器製作チーム「アテーナ」: 手のひらサイズの加速器を製作するという、全国的にも珍しい活動をしています。研究所や大学の研究者と協力しながら、最先端の科学技術に挑戦できる貴重な機会があります。
運動部
硬式野球部、サッカー部、バスケットボール部、陸上競技部など、多くの運動部が活動しています。特にソフトテニス部やバドミントン部は、関東信越地区大会で優勝し全国大会に出場するなど、高いレベルで活躍しています。 文化部
吹奏楽部や写真部といった一般的な文化部に加えて、デザイン部や模型部など、高専ならではの専門性を活かせる部活も多数あります。
イベント
工陵祭(こうりょうさい)
毎年秋に開催される文化祭です。各クラスや部活動による研究発表、模擬店、ステージ企画などで大変盛り上がります。地域住民も多く訪れ、学生たちの学びの成果を発表する貴重な場となっています。 体育祭
学科対抗で行われるため、クラスだけでなく学科全体の団結力が深まります。高専ならではのユニークな競技もあり、毎年白熱した戦いが繰り広げられます。 研修旅行
1年生の時には宿泊を伴う研修旅行があります。また、海外への研修旅行や短期留学プログラムも用意されており、グローバルな視野を養う機会も豊富です。
小山工業高等専門学校の進学実績
就職
主な就職先:
キヤノン、SUBARU、本田技研工業、日産自動車、トヨタ自動車、JR東日本、東京電力、日立製作所、パナソニックなど、日本を代表する大手企業が名を連ねています。
進学
主な進学先: 国公立大学(大学3年次への編入): 最も多い進学先は、同じキャンパス内にある専攻科、そして高専からの編入生を積極的に受け入れている長岡技術科学大学や豊橋技術科学大学です。その他にも、地元の宇都宮大学をはじめ、筑波大学、千葉大学、横浜国立大学、東京工業大学といった難関国公立大学への編入実績が多数あります。 小山高専 専攻科: 本科5年間の教育の上に、さらに2年間の高度な教育を受ける課程です。専攻科を修了すると、大学卒業と同じ「学士」の学位が取得でき、大学院へ進学する道も開かれます。
小山工業高等専門学校の特長・アピールポイント
5年間の一貫教育による高度な専門性
大学受験に左右されず、15歳から5年間かけてじっくりと専門分野を学ぶことができます。理論だけでなく実験・実習を重視したカリキュラムで、実践的な技術力が身につきます。 圧倒的な就職率と大手企業からの高い評価
就職率はほぼ100%で、毎年1人あたり20社以上の企業から求人が来るほど、産業界からの信頼が厚いです。 国公立大学への編入という選択肢
卒業後、多くの国公立大学の3年次に編入することが可能です。一般入試とは異なる「編入」というルートで、ハイレベルな大学を目指せるのは大きな魅力です。 ロボコンに代表される全国レベルのコンテストへの挑戦
「高専ロボコン」をはじめ、プログラミングコンテストなど、日頃の学びの成果を試す様々なコンテストに挑戦する文化が根付いています。仲間と協力して一つのものを創り上げる経験は、何物にも代えがたい財産になります。 大学レベルの充実した実験・研究設備
各学科に専門的な実験・実習を行うための最新設備が整っており、最先端の技術に触れながら学ぶことができます。 自由で自主性を重んじる校風
校則が緩やかで服装も自由な、大学に近い雰囲気です。学生一人ひとりが「学生」として扱われ、自主的に行動することが求められます。 学生寮「青嵐寮(せいらんりょう)」の完備
遠方からの学生のために、学校の敷地内に学生寮が完備されています。約190名の学生が共同生活を送っており、学年や学科を超えた深い絆を育むことができます。
小山工業高等専門学校の口コミ・評判のまとめ
良い点
専門的な知識が深く学べる
「将来やりたいことが決まっている人には最高の環境」「大学で学ぶような内容を早くから学べる」といった、専門教育の質の高さに対する評価が非常に多いです。 就職に圧倒的に強い
「就職率が良く、大手の企業に就職できる」「先生方のサポートが手厚く、希望の進路に進みやすい」など、将来の安定性を魅力に感じる声が多数あります。 自由な校風
「校則が緩く、個性を尊重してくれる」「大学のような雰囲気で過ごしやすい」といった、自由度の高さを評価する口コミが多く見られます。 同じ趣味の仲間が見つかる
「オタクが多いので、趣味の合う友達が見つかりやすい」「互いの好きなことを尊重し合える雰囲気がある」など、居心地の良さを挙げる声もあります。
気になる点
課題やレポートが多くて大変
「テスト前は勉強が大変」「実験レポートに追われることが多い」など、学習内容の高度さゆえの苦労についての声が見られます。自由な反面、自己管理能力が求められます。 留年の可能性がある
学業成績が一定の基準に満たない場合、進級できずに留年することがあります。毎日の予習・復習が欠かせません。 アクセスが不便
最寄りのJR小山駅からバスで約20分と、交通の便が良いとは言えません。多くの学生がバスや自転車、または保護者の送迎で通学しています。 女子生徒の割合が少ない
工学系の学校という特性上、女子生徒の割合は全体の約25%とまだ少ないのが現状です。しかし、学校側も女子中学生向けのイベントを開催するなど、積極的に女子生徒の受け入れを進めています。
アクセス・通学
最寄り駅 JR宇都宮線・両毛線・水戸線「小山駅」
駅からのアクセス JR小山駅東口より、小山市コミュニティバス「おーバス」で約20分、「高専正門」下車。 JR小山駅東口よりタクシーで約10分。
通学エリア
小山工業高等専門学校受験生へのワンポイントアドバイス