福島県の高校受験で家庭教師を考えるときに、先に知っておきたいことは次のとおりです。この記事の情報は2026年11月5日時点のものです。
- 福島県の公立高校(全日制)の2027年度(令和9年度)入試は、前期選抜と後期選抜の二段構え。前期選抜には特色選抜と一般選抜があり、志願者全員が国語・社会・数学・理科・英語の5教科の学力検査を3月3日(水)に受ける。前期選抜の結果発表は3月15日(月)から
- 前期選抜の一般選抜は、学力検査と調査書の比重を原則として同等に扱う。ただし、高校が必要と判断すれば比重を変えられる(学力検査の成績を5倍にする高校もある)
- 学力検査は各教科50点満点・50分で、5教科合計250点。調査書の学習の記録は、音楽・美術・保健体育・技術・家庭の評定が一般選抜では2回数えられ、195点満点になる
- 特色選抜は、高校が示す「志願してほしい生徒像」に合う人が出願する選抜。志願理由書、調査書、学力検査、面接に加え、高校によって実技や小論文などの特色検査もある。一般選抜との両方に出願できる
- 後期選抜は、前期選抜と連携型選抜で定員が埋まらなかった高校・学科だけで行う。学力検査はなく、調査書、面接、小論文(または作文)で判定する。面接等は3月23日(火)、結果発表は3月24日(水)から。前期選抜の学力検査の成績は使われない
- 出願はWEB出願システムで行う。前期選抜の出願受付は2月1日(月)から2月5日(金)正午まで。入学検定料は全日制で2,200円
- 私立高校の入試日程は、確かめた県の資料には載っていなかった。この記事では、公式サイトで確かめられた1校の日程だけを載せた。家庭教師が向いているかどうかは、志望校の選抜方法、今の調査書と学力、通いやすさなどで変わる。家庭教師の契約は、条件を満たせばクーリング・オフや中途解約の対象になる
2027年度(令和9年度)入試を受ける中学3年生と保護者の方に向けています。全日制の県立高校を中心にまとめていて、定時制、通信制、特別支援学校、連携型選抜(4校)、外国人生徒等に係る特別枠選抜(7校)、県外からの出願、受験上の配慮の申請、各高校の選抜方法の全校分は取り上げていません。
福島県の公立高校(全日制)の入試で、合否がどう決まるか
家庭教師を使うかどうかは、志望校の入試で何が点数や資料になるのかを押さえておくと整理しやすくなります。ここでは、福島県の公立高校の仕組みを、入試の種類、前期選抜の学力検査、特色選抜、一般選抜、5校の例、調査書、出願の手続き、追検査、後期選抜に分けて見ていきます。決まりの細かい部分は、福島県教育委員会の令和9年度入学者選抜に関するページに、令和9年度の実施要綱(PDF)が載っています。各高校の比重や配点は、同じページにある各高等学校の選抜方法一覧(PDF)で確かめられます。
入試の種類
- 前期選抜:全日制のすべての高校・学科で行う。中に「特色選抜」と「一般選抜」があり、志願者は特色選抜と一般選抜のどちらか、または両方に出願できる。志願者全員が学力検査(5教科)を受ける
- 後期選抜:前期選抜と連携型選抜で定員が埋まらなかった高校・学科で行う。前期選抜や連携型選抜に出願したかどうかにかかわらず出願できるが、前期選抜か連携型選抜に合格した人は出願できない
- 連携型選抜:県内の4校が、連携している中学校を卒業する見込みの人を対象に行う選抜。連携型選抜に出願する人は特色選抜には出願できない
- 追検査:前期選抜の検査を、病気などのやむを得ない事情で受けられなかった人のための検査
- 出願の数:一つの高校に限り、特色選抜と一般選抜のどちらか、または両方に出願できる。特色選抜は1つの高校の1学科に限られ、第二志望は認められない
2027年度の募集定員は、全日制の県立高校で11,060人で、前年度から300人減りました。2027年3月の県内の中学校卒業見込者数は14,177人で、前年度より528人少なくなっています。全日制の高校は40人学級を基本に編制されます(複数の専門学科がある3校は35人)。なお、確かめた実施要綱には、後期選抜のあとの再募集や二次募集の定めは見つかりませんでした。
前期選抜は、全員が5教科の学力検査を受ける
学力検査(特色選抜と一般選抜で共通)
- 教科:国語、社会、数学、理科、英語の5教科。英語には放送によるテストが含まれる
- 配点と時間:各教科50点満点、検査時間は各50分。5教科で250点満点
- 問題:県教育委員会が同一の問題で、県内一斉に行う。ただし、各高校は問ごとの配点を変えられ、学科の特性によっては特定の教科の比重を変える傾斜配点を実施することもある
- 日時と会場:2027年3月3日(水)の午前9時から午後3時10分まで。会場は出願先の高校
- 面接などの日:特色面接や一般面接、特色検査は、3月3日の学力検査のあと、または3月4日(木)、3月5日(金)の午前9時以降に、高校が指定した日時で行う。終了予定時刻などは、2月26日(金)正午までに各高校の募集要項で示される
- 学力検査の結果:受けた人には、各教科の得点と5教科の合計得点がWEB出願システムで知らされる(3月15日から3月23日まで)
特色選抜
- 募集定員枠:募集定員の5%から50%の範囲で、各高校が学科ごとに設定する
- 出願できる人:高校が示す「志願してほしい生徒像」を踏まえ、その学科を自分から志願する動機や理由がはっきりしていて、適切な人
- 選抜の資料:志願理由書、調査書、学力検査の成績、特色面接の結果。高校の判断で、小論文(作文)や実技などの特色検査も加わる
- 判定:学力検査と、それ以外の資料の配点の比率を、県が定めた範囲内で各高校が学科ごとに決める。点数をまとめたあと、志願理由書や点数にしない調査書の記載、面接の内容も合わせて総合的に判定する
- 合否の順番:各高校は、特色選抜、一般選抜の順に合否を判定して発表する。特色選抜と一般選抜の両方に出願して特色選抜に不合格になった場合は、一般選抜だけに出願した人と一緒に選抜の対象になる
一般選抜
- 選抜の資料:学力検査の成績と調査書の審査結果。高校の判断で一般面接も行う
- 比重:学力検査と調査書の比重は原則として同等。高校が自校の特色のために必要と判断した場合は変えられるが、その比率はあらかじめ県教育委員会と協議する。比重を変える場合は、学力検査の特定の教科への傾斜配点は行わない
- 調査書の点数:学習の記録は195点満点。学習の記録以外の記載項目を点数にする場合は55点満点(点数にするかどうかは高校長の判断)
- 判定:比重が同等の場合は、学力検査と調査書のどちらも定員の範囲内にあり、調査書の記載や面接に特に問題がない人を合格とする。その他の人は、学力検査の成績と調査書の記載などを合わせて総合的に判定する。比重を変える場合は、どちらか一方に高校長が決めた数を掛けてから合計する
5校の例で見る、特色選抜・一般選抜・後期選抜の違い
県が公表している各高校の選抜方法から、普通科の例を挙げます。同じ前期選抜でも、特色選抜の中身、調査書の点数の出し方、一般選抜の比重は、高校ごとに違います。この例は、仕組みの説明のために挙げたもので、学校どうしを比べるものではありません。志望校の欄は、県の選抜方法の一覧で確かめてください。
福島高等学校(普通科)
- 特色選抜:募集定員枠は5%程度。中学時代の部活動や地域クラブ活動等での顕著な実績などが求められる。学力検査250点、調査書250点(実技4教科の評定を2倍にした学習の記録195点と、特別活動等55点)、個人面接は段階評価で、特色検査はなし。選抜資料の満点は500点
- 一般選抜:学力検査250点満点、調査書250点満点(学習の記録195点と特別活動等55点)。一般面接は行わず、比重は同等
- 後期選抜:調査書は学習の記録135点と特別活動等55点で190点満点。個人面接は30点満点で、内容に数学が含まれる。小論文は120点満点
安積高等学校(普通科)
- 特色選抜:募集定員枠は10%程度。Ⅰ型(運動部)とⅡ型(文化部)があり、どちらも中学校の部活動や地域クラブ活動等での顕著な実績が求められる。選抜資料の満点は500点で、個人面接は40点満点
- 一般選抜:学力検査250点満点、調査書は学習の記録195点満点(特別活動等は点数にしない)。一般面接は行わず、比重は同等
- 後期選抜:調査書は学習の記録135点満点。個人面接は段階評価。小論文は100点満点で、中学校での学習の成果を総合的に問う内容
郡山高等学校(普通科・探究科)
- 特色選抜(普通科):募集定員枠は12%程度。集団面接(段階評価)と、部活動等に関する実技(150点満点)がある。選抜資料の満点は570点
- 特色選抜(探究科):募集定員枠は10%程度。個人面接が100点満点で、特色検査は行わない。選抜資料の満点は520点
- 一般選抜(普通科・探究科):学力検査250点満点、調査書は学習の記録195点満点(特別活動等は点数にしない)。面接は行わず、比重は同等
- 後期選抜:調査書は学習の記録135点満点。個人面接は段階評価。課題文を読んで自分の考えを述べる小論文が100点満点
会津高等学校(普通科)
- 特色選抜:募集定員枠は5%程度。調査書は実技4教科を2倍にした学習の記録195点と特別活動等55点で250点満点。個人面接は60点満点、実技検査等は200点満点。選抜資料の満点は760点
- 一般選抜:学力検査250点満点、調査書250点満点(学習の記録195点と特別活動等55点)。一般面接は行わず、比重は同等
- 後期選抜:調査書は学習の記録135点と特別活動等55点で190点満点。個人面接は90点満点で、内容に数学と英語が含まれる。小論文は40点満点
磐城高等学校(普通科)
- 特色選抜:募集定員枠は5%程度。個人面接が30点満点、志願する部活動の技能をみる実技試験が100点満点。選抜資料の満点は550点
- 一般選抜:学力検査250点満点、調査書は学習の記録195点満点(特別活動等は点数にしない)。一般面接は行わない。比重は「学力検査の成績を5倍する」と書かれていて、ほかの4校の「同等」とは書き方が違う
- 後期選抜:調査書は学習の記録135点満点。個人面接は100点満点で、内容に国語、社会、数学、理科、英語が含まれる。小論文は100点満点
この5校だけでも、特色選抜の募集定員枠は5%程度から12%程度、特色選抜の選抜資料の満点は500点から760点と、学校によって幅があります。後期選抜の小論文の満点も40点から120点まで違い、面接を点数にする学校(30点、90点、100点)と段階評価の学校があります。一般選抜の比重は、5校のうち4校が同等で、磐城だけが学力検査の成績を5倍にする書き方でした。合格に必要な点数の目安は、確認した県の資料には書かれていないため、この記事では書いていません。
調査書の仕組み
- 評定の対象:国語、社会、数学、理科、英語、音楽・美術・保健体育・技術・家庭の9教科の、第1学年から第3学年までの評定
- 特色選抜と後期選抜の学習の記録:9教科の評定を合計して135点満点(特色選抜では、高校によっては傾斜配点で加点することがある)
- 一般選抜の学習の記録:9教科の評定の合計に、音楽・美術・保健体育・技術・家庭の評定の合計をもう一度加えて195点満点
- 評定がいつまでの記録か:前期選抜では1月末日までの第3学年の評定が書かれる。後期選抜では、学年末までの状況を書く
- 学習の記録以外:特別活動の記録や、部活動・地域クラブ活動等の記録。点数にするか、どう点数にするかは高校ごとに違う
- 作成と提出:中学校長が、調査書作成委員会を設けて作る。調査書の情報を中学校がWEB出願システムに登録すると、提出したことになる。提出期間は2月12日(金)9時から2月16日(火)16時まで
この計算を数にすると、評定がすべて5の場合、9教科の3学年分の合計は9×3×5で135、さらに加える実技4教科の3学年分は4×3×5で60になり、一般選抜の学習の記録は195点になります。つまり、一般選抜では、学力検査をする5教科の評定は1回、音楽・美術・保健体育・技術・家庭の評定は2回数えられます。ただし、調査書は中学校が作るもので、家庭教師を使えば評定が上がるとは言えません。
自己申告書
- 内容:志願先の高校長に伝えておきたい事情がある人が、希望すれば出せる書類(様式7号)。選抜では、志願者を理解するための補助資料として扱われる
- 提出期間(前期選抜):2月12日(金)9時から2月17日(水)16時まで
- 不登校だった場合:県の案内では、中学校で不登校だった人も出願できる。高校に出す調査書には、出欠に関する情報を書く欄はないと書かれている
通学区域(普通科)
- 普通科:保護者が住んでいる市町村によって、出願できる高校が限られる。隣り合う通学区域の高校の普通科にも出願できるが、その場合は入学できるのは募集定員の20%までに限られる
- 専門学科・総合学科など:県内のどこに保護者が住んでいても出願できる
出願の手続きと出願先変更
- 出願の方法:県立学校入学者選抜のWEB出願システムで行う。郵送での出願はできない
- 志願者の申請:2027年1月25日(月)9時から2月4日(木)正午まで
- 中学校長の承認:2月1日(月)9時から2月4日(木)16時まで
- 高校の出願受付:2月1日(月)9時から2月5日(金)正午まで
- 入学検定料:全日制は2,200円。クレジットカード、コンビニ、Pay-easyのいずれかの方法で納め、納めた検定料は返還されない
- 受験票:2月17日(水)9時以降に、WEB出願システムから印刷する
出願先変更(前期選抜)
- 回数:期間内で1回に限り、ほかの高校への変更、同じ高校内の学科・コースの変更、選抜の変更ができる
- 志願者の申請:2月8日(月)9時から2月10日(水)午前10時まで
- 中学校長の承認:2月8日(月)9時から2月10日(水)正午まで
- 高校の受付:2月8日(月)9時から2月10日(水)16時まで
追検査(前期選抜)
対象と手続き
- 対象:インフルエンザなどの学校感染症にかかった状態で検査の全部または一部を欠席した人。感染症以外の病気やけがでやむを得ず欠席した人や、試験会場に向かう途中の事故・事件に巻き込まれた人などもあてはまる
- 可否の判断:病気やけが、事故などの場合の受験の可否は、出願先の高校長と県教育委員会が協議して決める
- 申請:追検査等受験願を、3月5日(金)16時までに、中学校長を通して出願先の高校長へ出す。病気やけがの場合は、医師の診断書など、医療機関で受診したことが分かる書類を添える
- 定員:追検査の枠は、募集定員の外側には設けられない
追検査の日
- 学力検査:3月9日(火)の午前9時から午後2時45分まで
- それ以外の検査:3月9日(火)と3月10日(水)の午前9時以降に、高校が指定した日時で行う
後期選抜は、学力検査がなく、調査書・面接・小論文(作文)で決まる
仕組み
- 実施する高校:前期選抜と連携型選抜で定員が埋まらなかった高校・学科。募集定員は、全体の募集定員から前期選抜と連携型選抜の合格者数を引いた数
- 出願できる人:前期選抜や連携型選抜に出願したかどうかにかかわらず出願できる。前期選抜で不合格になった人は新たに出願する。前期選抜か連携型選抜に合格した人は出願できない
- 資料:調査書の審査結果、面接の結果、小論文(作文)の結果。前期選抜の学力検査の成績は使われない
- 面接と小論文:志願者全員が面接を受け、小論文(または作文)を書く。面接では、学ぶ意欲に加えて、中学校の学習の成果を問う内容が入る高校がある(上の5校では、福島が数学、会津が数学と英語、磐城が5教科)
- 日時:3月23日(火)の午前9時以降。会場は出願先の高校
後期選抜の出願
- 志願者の申請:3月16日(火)9時から3月17日(水)14時まで
- 中学校長の承認:3月16日(火)9時から3月17日(水)15時まで
- 高校の出願受付:3月16日(火)9時から3月17日(水)16時まで
- 出願先変更:3月18日(木)。志願者の申請は9時から14時まで、高校の受付は9時から16時まで
- 受験票:3月19日(金)正午以降に印刷する
- 自己申告書:3月16日(火)9時から3月19日(金)16時まで
2027年度入試の日程
日程は、実施要綱で確かめられます。
全日制の前期選抜
- 出願:志願者の申請は2027年1月25日(月)から2月4日(木)正午、高校の受付は2月1日(月)から2月5日(金)正午
- 出願先変更:2月8日(月)から2月10日(水)
- 調査書の提出:2月12日(金)から2月16日(火)
- 学力検査:3月3日(水)
- 面接等:3月3日(水)から3月5日(金)
- 追検査:3月9日(火)。それ以外の検査は3月9日(火)と3月10日(水)
- 結果発表:3月15日(月)13時から
全日制の後期選抜
- 出願:3月16日(火)・17日(水)
- 出願先変更:3月18日(木)
- 面接等:3月23日(火)
- 結果発表:3月24日(水)13時から
福島県の私立高校を併願するときに確かめたいこと
公立高校の日程は県が定めますが、私立高校の入試日程は、県教育委員会の実施要綱や入試情報のページには載っていませんでした。この記事を書いた時点で、2027年度の日程を学校の公式サイトで確かめられたのは、次の1校でした。ほかの私立高校は、2027年度の日程を公式サイトで文字として確かめられなかったため、書いていません。各校の公式サイトや募集要項で確認してください。
日本大学東北高等学校の2027年度入試
学校の入試関係のページと令和9年度の生徒募集要項に載っている内容です。学則定員は普通科480名で、内訳はⅠコース400名、Ⅱコース80名です。
- 学業推薦(専願・併願):試験日は2027年1月19日(火)か1月20日(水)のどちらか。選ぶことはできず、受験票に書かれる
- 体育推薦(専願):1月21日(木)
- 一般入試(専願・併願):1月21日(木)。書類審査、学力試験(国語・数学・英語、各60分のマークシート方式)、個人面接
- 合格発表:1月23日(土)11時、Webで発表
- 出願:インターネット出願で、受験者情報の入力と受験料の納入は11月28日(土)から12月9日(水)23時59分まで。推薦入試と一般入試のどちらか一方しか受験できない
- 受験料:13,000円。納めた受験料は、理由のいかんにかかわらず返金されない
- 入学手続金(専願):192,000円。2月1日(月)まで
- 入学手続金(併願):一次手続金が150,000円で2月1日(月)まで、二次手続金が42,000円で3月16日(火)まで
日本大学東北高等学校の試験は1月で、公立の前期選抜の学力検査(3月3日)より先に行われます。併願の二次手続金の期限は3月16日で、公立の前期選抜の結果発表日(3月15日)の翌日です。専願か併願かで手続きの期限と金額が変わるので、志望する私立高校の募集要項を、公立の日程と並べて確かめてください。
福島県の入試の仕組みから見た、家庭教師が向いているケース
特色選抜を考えていて、志願理由書や面接の準備を相談したい
特色選抜では、学力検査に加えて、志願理由書、調査書、特色面接の結果が資料になり、高校によっては小論文や実技などの特色検査も加わります。5校の例でも、面接の満点は30点から100点まで、特色検査は実技のある学校とない学校がありました。志願理由書に何を書くか、面接で志望の理由や高校生活の抱負をどう話すか、小論文をどう書くかを、1対1で練習したい場合は、家庭教師が選択肢に入ります。ただし、部活動の実技のような準備は、家庭教師が扱えるとは限りません。扱える範囲は会社や先生によって違うので、資料や体験授業で確かめてください。
前期選抜の5教科の学力検査に向けて、苦手を絞って埋めたい
前期選抜では、特色選抜でも一般選抜でも、志願者全員が3月3日に5教科の学力検査を受けます。各教科は50点満点・50分で、英語には放送によるテストが含まれます。一般選抜では、学力検査と調査書の比重が原則として同等とされているので、学力検査は合否を決める大きな要素の一つです。苦手な教科やつまずいている単元を絞って、基本を固めたい場合は、1対1の指導が合うことがあります。どこまで対策できるかは、会社や先生によって違うので、体験授業などで確かめてください。
調査書の仕組みを知ったうえで、学力検査にどれだけ時間をかけるか相談したい
一般選抜の調査書の学習の記録では、音楽・美術・保健体育・技術・家庭の評定が2回数えられ、学力検査をする5教科の評定は1回数えられます。評定は中学校が付けるもので、家庭教師を使えば上がるとは言えません。学校の授業や提出物にどう取り組むかは、まず中学校の先生に確かめてください。そのうえで、学力検査にどれだけ時間を使うか、苦手な教科をどの順で進めるかを整理したい場合は、家庭教師が選択肢に入ります。
後期選抜の面接や小論文まで考えて、準備を進めたい
後期選抜は、前期選抜と連携型選抜で定員が埋まらなかった高校・学科だけで行われ、学力検査はありません。ただ、5校の例では、面接の内容に数学や英語、5教科が含まれる学校があり、小論文の満点も学校によって違いました。前期選抜の結果発表は3月15日、後期選抜の面接等は3月23日で、その間は8日です。前期選抜の学力検査の成績は後期選抜には使われないため、後期選抜で受ける学校の面接や小論文の準備は、別に考える必要があります。面接で問われる教科の内容や、小論文の書き方を、1対1で練習したい場合は、家庭教師が選択肢に入ります。ただし、後期選抜が行われる高校・学科は、前期選抜のあとで決まります。志望校が後期選抜を行うかどうかは、各高校の発表で確かめてください。
中学校で不登校や長期の欠席があった
県の案内では、中学校で不登校だった人も出願できます。高校に出す調査書には、出欠に関する情報を書く欄はありません。志願先の高校長に伝えておきたい事情があれば、自己申告書を出せます。教室以外の場所で学んできた期間があり、自分のペースで学力検査や面接の準備を進めたい場合は、家庭教師が選択肢に入ります。自己申告書の書き方や出し方は、まず中学校の先生に相談してください。
部活や通学の都合で、塾の時間に通えない
部活の時間が長い、教室までの移動に時間がかかる、送り迎えが難しい、といった事情がある場合は、塾の教室以外の場所で受ける家庭教師が選択肢に入ります。特定商取引法のガイドでは、インターネットなどを使って行う指導も、家庭教師や学習塾の契約の対象に含まれるとされています。
中3の秋から始めるときは、日程を確かめる
調査書の第3学年の評定は、前期選抜では1月末日までのものが書かれます。前期選抜は志願者の申請が2027年1月25日から、学力検査は3月3日です。調査書には、すでに決まっている部分と、これから変えられる部分があります。何を優先して勉強するかは、受ける選抜の種類と、今の調査書と学力によって変わります。間に合うかどうかは一概には言えないので、体験授業などで具体的に相談してみる方法があります。
家庭教師より塾が合いそうなケース
次のような場合は、塾のほうが合うかもしれません。家庭教師を前提にせず、子どもの性格や家庭の事情に合わせて選んでください。
- 決まった曜日と時間に、決まった場所へ通うほうが、勉強の習慣をつくりやすい場合
- ほかの生徒と同じ教室で勉強するほうが、取り組みやすい場合
- 通塾の時間や送迎を、家庭の予定に組み込める場合
どちらの形でも、受ける選抜の種類と、今の調査書、学力の状況を踏まえて、何を優先して勉強するかを決めることが先です。
当てはまるケースがあるなら、まずは家庭教師の会社の資料を取り寄せて、費用や教え方を比べてみるのも一つの方法です。
塾と家庭教師の違い
ここでは、特定商取引法のガイドが示している区分をもとに、学習塾と家庭教師の違いを整理します。授業の進め方や料金は会社ごとに設定が違うため、ここでは取り上げません。
法律の上では、指導を行う場所で区別される
ガイドでは、家庭教師は「学習塾以外の場所」で行う学力指導、学習塾は事業者が用意した場所で行う学力指導として、別々に書かれています。どちらも、入学試験に備えるための指導や、学校教育の補習のための指導が対象です。
契約のルールにも違いがある
学習塾
- 指導を行う場所:事業者が用意した場所
- 規制の対象になる契約:期間が2か月を超え、金額が5万円を超えるもの
- 中途解約(授業が始まる前):事業者が請求できる額の上限は1万1000円
- 中途解約(授業が始まった後):受けた授業の対価に、2万円と1か月分の授業料相当額のうち低いほうを加えた額が上限
家庭教師
- 指導を行う場所:学習塾以外の場所
- 規制の対象になる契約:期間が2か月を超え、金額が5万円を超えるもの
- 中途解約(授業が始まる前):事業者が請求できる額の上限は2万円
- 中途解約(授業が始まった後):受けた授業の対価に、5万円と1か月分の授業料相当額のうち低いほうを加えた額が上限
5万円を超えるかどうかは、入学金や受講料、教材費、関連商品の代金などをすべて合わせた契約金の総額で判断します。インターネットや電話などを使って行う指導も、この法律の対象に含まれます。
費用の考え方
文部科学省の令和5年度「子供の学習費調査」は、全国の学校(調査の対象は約1,600校)に通う子どもの家庭を対象にした調査で、福島県だけの数字ではありません。この調査では、公立中学校に通う家庭の補助学習費(通信教育・家庭教師費や学習塾費などの区分を含みます)の年額が、平均で約27万円(271,574円)、中学3年生では約39万円(390,200円)でした。
家庭教師の料金の内訳は、会社ごとに確認が必要です。比べるときは、月々の授業料だけでなく、次の費用もあわせて確認してください。
- 入会金
- 授業料(1回あたりの時間と、月の回数)
- 教材費(教材の購入が必須かどうか)
- 訪問してもらう場合の交通費
- 管理費など、毎月かかる固定費
- 途中でやめるときにかかる費用
福島県の県立高校の受検にかかる費用としては、全日制の入学検定料が2,200円で、WEB出願システムを通して納めます。納めた検定料は返還されないと、県の実施要綱に書かれています。私立高校の受験料は、公式サイトで確かめた日本大学東北高等学校では13,000円でした。ほかの私立高校は、各校の公式サイトで確認してください。
高校に入学したあとの授業料については、文部科学省の高等学校等就学支援金制度に関するQ&Aに、令和8(2026)年4月から所得制限が撤廃されたと書かれています。公立高校の全日制には、月額9,900円の授業料相当額が就学支援金として支給されます。私立高校の場合は、全日制・定時制で最大で月額3万8,100円が支給され、支給上限額は私立高校(全日制)で45万7,200円とされています。就学支援金を受けるには、受給資格を得るための申請が必要で、申請の方法、必要な書類、提出先、期限は、学校や都道府県によって異なります。必要な書類は、入学する高校から、入学説明会のときや入学後に配布されるとされています。原則として支給は申し込みが行われた月から始まるので、提出の期日に遅れないよう留意するとされています。ここに書いた金額と制度は、2026年11月5日に確認したものなので、令和9年度に入学する場合の扱いは、最新の案内と志望校の募集要項で確かめてください。福島県独自の授業料支援は、今回は確かめていません。
契約の前に知っておきたいルール
高校受験などの入学試験に備えるためや、学校の授業の補習(幼稚園・大学を除く)のための学力指導を、学習塾以外の場所で受ける家庭教師の契約は、期間が2か月を超え、契約金の総額(入学金や受講料、教材費、関連商品の代金など)が5万円を超える場合に、特定商取引法の「特定継続的役務提供」の対象になります。この場合は、次のルールがあります。
- 事業者は、契約の前に契約の概要を記した書面を、契約のあとに契約の内容を記した書面を、それぞれ消費者へ交付する義務がある
- 法定の書面を受け取った日から数えて8日以内なら、書面または電磁的記録で、クーリング・オフ(契約の解除)ができる
- 事業者が事実と違うことを告げたり威迫したりして、誤認や困惑のために期間内にクーリング・オフをしなかった場合は、8日を過ぎていてもクーリング・オフができる
- クーリング・オフの期間を過ぎても、将来に向けて契約を解除(中途解約)できる
- 中途解約のとき事業者が請求できる額には上限がある(家庭教師の場合、授業が始まる前は2万円まで。始まった後は、受けた授業の対価に、5万円か1か月分の授業料相当額のどちらか低いほうを加えた額まで)
- 書籍(教材を含む)などの関連商品の販売契約も、本体の契約をクーリング・オフや中途解約したときは、同じように解除できる
- 事実と違うことを告げたり、わざと事実を告げずに勧誘したりすることは禁じられていて、それで誤認して契約した場合は、契約の申込みや承諾を取り消せる
くわしくは消費者庁の特定商取引法ガイドで確認できます。契約で困ったときは、消費者ホットラインの「188」に電話すると、身近な消費生活センターなどの相談窓口を案内してもらえます。
家庭教師を選ぶときのチェックポイント
- 福島県の入試の仕組み(前期選抜は全員が5教科の学力検査を受けること、一般選抜は学力検査と調査書を原則同等に扱うこと、後期選抜は学力検査がなく調査書・面接・小論文で決まること)を踏まえて、学習の計画を考えてくれるか
- 志望校の選抜方法を確かめたうえで、重点を置く教科を相談できるか
- 特色選抜の志願理由書や面接、小論文の準備を考えている場合に、どこまで扱えるか
- 体験授業を受けられるか
- 料金の内訳が書面で示されるか
- 教材の購入が契約の条件になっていないか
- 先生が合わなかったときに、交代できるか
- 途中でやめるときの手続きと費用を、契約の前に説明してもらえるか
これらは会社によって答えが変わりうる点です。1社だけで決めず、複数の会社の資料を並べて見比べると、違いが見えやすくなります。
家庭教師の資料を比べるなら
料金の内訳や体験授業の内容は、資料を並べると違いが分かりやすくなります。福島県で家庭教師を探していて、どの会社が合うか迷っている場合は、複数の会社の資料を取り寄せて、費用や教え方を見比べてみてください。
福島県の高校受験と家庭教師についてよくある質問
中3の秋からでも、家庭教師は間に合う?
間に合うかどうかは、今の成績と志望校との差、使える時間によって変わるので、一概には言えません。判断の材料として、調査書の第3学年の評定が前期選抜では1月末日までのものであること、前期選抜は志願者の申請が2027年1月25日からで、学力検査が3月3日であることを確かめておいてください。そのうえで、体験授業などで具体的に相談してみる方法があります。
特色選抜と一般選抜は、両方出願できるの?
一つの高校に限り、特色選抜と一般選抜のどちらか、または両方に出願できます。特色選抜は1つの高校の1学科に限られ、第二志望は認められません。両方に出願して特色選抜に不合格になった場合は、一般選抜だけに出願した人と一緒に選抜されます。どちらを選ぶかは、本人と家庭、中学校で話し合って決めます。
内申点(調査書)は、前期の一般選抜でどのように使われるの?
一般選抜では、学力検査と調査書の比重が原則として同等とされています。調査書の学習の記録は195点満点で、音楽・美術・保健体育・技術・家庭の評定が2回数えられます。特別活動等を点数にするかどうかは、高校ごとに違います。比重を変える高校もあるので、志望校の欄を県の選抜方法の一覧で確かめてください。
学力検査は、何教科?
前期選抜は、国語・社会・数学・理科・英語の5教科で、各教科50点満点・50分です。3月3日に、出願先の高校で受けます。英語には放送によるテストがあります。特色選抜に出願した人も受けます。
前期選抜に不合格だったら、どうなるの?
前期選抜に不合格だった人は、後期選抜に出願できます。ただし、後期選抜を行うのは、前期選抜と連携型選抜で定員が埋まらなかった高校・学科だけです。後期選抜に出願するときは、新たに出願の手続きをします。出願は3月16日と3月17日、面接等は3月23日、結果発表は3月24日からです。
志望校を変えたくなったら?
前期選抜では、期間内で1回に限り、出願先を変更できます。期間は2月8日から2月10日までで、ほかの高校への変更、同じ高校内の学科・コースの変更、選抜の変更ができます。後期選抜の出願先変更は3月18日です。手続きは、中学校を通して行います。
公立と私立は、併願できる?
私立高校の入試日程は、確かめた県の資料には載っていませんでした。公式サイトで確かめられた日本大学東北高等学校では、一般入試に専願と併願の区分があり、手続金の期限が違います。ほかの私立高校は、各校の公式サイトや募集要項で確かめてください。公立高校の側の日程は、前期選抜の学力検査が3月3日、結果発表が3月15日です。
学力検査の当日に受検できなかったら?
感染症や、交通事故、やむを得ない病気やけがなどで、前期選抜の検査を受けられなかった場合は、追検査を受けられることがあります。追検査の学力検査は3月9日です。追検査等受験願は3月5日の16時までに、中学校長を通して出願先の高校長へ出します。病気やけがの場合は、診断書など、受診が分かる書類を添えます。
家庭教師の契約は、クーリング・オフできる?
期間が2か月を超え、契約金の総額が5万円を超える契約なら、法定の書面を受け取った日から数えて8日以内は、クーリング・オフができます。事業者が事実と違うことを告げたり威迫したりして誤認・困惑した場合は、8日を過ぎても行使できます。その後も中途解約ができ、事業者が請求できる額には上限があります。
まとめ
- 福島県の公立高校(全日制)の入試は、2027年度も前期選抜と後期選抜の二段構え。前期選抜は学力検査が3月3日、結果発表は3月15日。追検査は3月9日。後期選抜の面接等は3月23日、結果発表は3月24日
- 前期選抜は、特色選抜でも一般選抜でも、志願者全員が5教科(各50点満点)の学力検査を受ける。一般選抜は学力検査と調査書を原則同等に扱い、調査書の学習の記録は195点満点。音楽・美術・保健体育・技術・家庭の評定は2回数えられる。評定は中学校が付けるもので、家庭教師で上がるとは言えない
- 特色選抜は、志願理由書、面接、高校によっては実技や小論文などの特色検査が加わる。5校の例では、特色選抜の選抜資料の満点は500点から760点と学校ごとに違った
- 後期選抜は、前期選抜と連携型選抜で定員が埋まらなかった高校・学科だけで行う。学力検査はなく、調査書、面接、小論文(作文)で判定する
- 私立高校の日程は、確かめた県の資料には載っていなかった。公式サイトで確かめられた1校の日程を載せたが、ほかの私立高校は各校の公式サイトで確かめる
- 家庭教師は、特色選抜の面接や小論文の準備を整理したい人、学力検査に向けて苦手を絞りたい人、後期選抜まで含めて計画を立てたい人、塾に通いにくい人の選択肢になる。塾のほうが合う人もいる
- 料金は会社ごとに確認が必要なので、内訳と解約の条件を含めて、複数の会社を比べて選ぶ。条件を満たす契約は、クーリング・オフや中途解約ができる











