福島県教育委員会が、2027年春に入学する人(令和9年度)の県立高校入試について、「選抜の基本方針」と「連携型中高一貫教育に係る基本方針」を公表しました(発表は2026年9月11日)。前期選抜では全員に5教科の学力検査を行うこと、後期選抜では前期の学力検査の成績は使わないことなど、入試の「考え方の土台」が示されています。
何が発表されたの?
ひとことで言うと:「どんな方法で、何を見て合否を決めるのか」という大きなルールが決まりました。細かい日程や出願方法は別の資料(実施要綱)にあり、この基本方針はその土台にあたります。
まず大前提:学校ごとの「アドミッション・ポリシー」
基本方針の最初には、各高校は自分の学校のアドミッション・ポリシーに基づいて生徒を募集する、と書かれています。アドミッション・ポリシーとは、「こういう人に来てほしい」という学校の考えのことです。志望校を選ぶときは、まずここを読むのがスタートになります。
前期選抜は「特色選抜」と「一般選抜」の2本立て
前期選抜に出願した人は、次のどちらか、または両方を受けられます。
- 特色選抜:学校が「こんな生徒に志願してほしい」という姿を示し、受験生がそれに合うと思えば自分で選んで出願する方法です。個性や学ぶ意欲が重視されます。
- 一般選抜:中学校での学習の成果を総合的に見る方法です。
各高校は、特色選抜、一般選抜の順に合否を判定して発表します。
今年度の方針では、特色選抜の「志願してほしい生徒像」を、より具体的に書けるようにすることも示されています。目指す学校がどんな人を求めているのか、これまでより読み取りやすくなる方向です。
前期選抜は全員が5教科の学力検査を受ける
前期選抜では、志願者全員に学力検査があります。全日制は国語・社会・数学・理科・外国語(英語)の5教科です。
- 定時制は、学校の判断で教科を減らせます。
- 定時制で18歳以上の人は、学力検査を免除できます。免除したときは、小論文(または作文)を行うことができます。
- 問題は、中学校の学習指導要領をふまえ、基礎的・基本的な内容の定着を見ます。文章で答える問題や、考える力・分析する力を問う問題も、さらに工夫するとされています。
- 配点は各問の標準の配点を意識しつつ、学校の判断で決められます。特定の教科の点数を重くする「傾斜配点」も、学校の特色や学科に合わせて学校の判断で使えます。
特色選抜では何を見て合否を決めるの?
特色選抜で使う資料は、次のとおりです。
- 志願理由書(なぜその学校・学科を志望するかを書く書類)
- 調査書(中学校での成績や活動をまとめた書類)の審査結果
- 学力検査の成績
- 特色選抜の面接(特色面接)の結果
- 学校の判断で加える、小論文(または作文)や実技などの特色検査の結果
配点は、学力検査と、ほかの資料の比率がはっきりわかるように、県教育委員会が決めた範囲の中で各高校が学科ごとに決めます。点数に表さない調査書の記載や面接の内容も、よく調べたうえで総合的に判断します。つまり、点数の合計だけで決まるわけではありません。
一般選抜では何を見るの?
一般選抜は、学力検査の成績と調査書が中心です。学校によっては一般選抜の面接(一般面接)も加わります。
- 学力検査と調査書の成績の重みは、原則として同じです。
- 学校が特色を出したいときは、この重みを変えてよいことになっています。
- 志願者が自己申告して得意な教科の点数を重くする「傾斜配点」を、学校の判断で使えます。
- 一般面接を行うかどうかは学校の判断です。
後期選抜は「前期の続き」ではなく、別の見方
後期選抜は、前期選抜と連携型選抜で定員が埋まらなかった学校だけが行います。前期や連携型を受けたかどうかに関係なく出願できますが、前期選抜または連携型選抜に合格した人は出願できません。
- 見る資料は、調査書、面接、小論文(または作文)です。
- 前期選抜の学力検査の成績は、後期選抜の資料にしません。前期で受けた5教科の点数が後期に持ち越されることはありません。
- 面接では、学ぶ意欲に加えて、中学校での学習の成果を問う内容を含めることができます。
なお、併設型中高一貫教育校の中学校から、同じ学校の高校へ進む人は、これらの選抜に出願できません。
連携型中高一貫教育の選抜って何?
ひとことで言うと:高校と連携している決まった中学校の生徒だけが受けられる、特別な枠の入試です。
連携型選抜の目的は、連携している中学校から、目的意識や意欲のある生徒の入学を進め、6年間を通して一人ひとりの個性を大切にした教育を実現することです。
対象の高校と中学校
- 修明高校:棚倉町立棚倉中、塙町立塙中、矢祭町立矢祭中、鮫川村立鮫川中
- 南会津高校:南会津町立の田島中・荒海中・舘岩中・南会津中、下郷町立下郷中
- 相馬総合高校:相馬市立の中村第一中・中村第二中・向陽中・磯部中、新地町立尚英中
- ふたば未来学園高校:浪江町立なみえ創成中、葛尾村立葛尾中、双葉町立双葉中、大熊町立学び舎ゆめの森、富岡町立富岡中、川内村立川内小中学園、楢葉町立楢葉中、広野町立広野中
どう選ばれるの?
- 出願できる人:その高校と連携している中学校を卒業見込みの人だけです。
- 学力検査:全員に5教科(国語・社会・数学・理科・英語)があります。
- 見る資料:調査書、学力検査の成績、連携型選抜の面接の結果です。学校の判断で、連携している教育内容に合った検査(連携型検査)を加えることもあります。
- 募集の枠:別に公告する募集定員の30%を下限として、学校が学科ごとに決めます。特色選抜の枠はこれとは別に設けます。
- 一般選抜との関係:連携型選抜に出願した人は、同じ高校の一般選抜にも出願できます。その場合は、連携型選抜、一般選抜の順に合否を判定します。
- 特色選抜との関係:連携型選抜に出願する人は、特色選抜との併願はできません。また、連携している中学校を卒業見込みの人は、その連携先の高校の特色選抜に出願できません。
日程・数字のまとめ
ひとことで言うと:基本方針で重要なのは日付よりも「しくみ」ですが、同時に公表された日程表から、前期・連携型の面接日と通信制の出願期間が確認できます。
- 前期選抜・連携型選抜の面接等:2027年3月3日(水)〜3月5日(金)
- 通信制の出願期間:2027年2月1日(月)〜3月29日(月)
- 特色選抜の枠:県教育委員会が定める範囲の中で、学校が学科ごとに設定
- 連携型選抜の枠:募集定員の30%が下限
前期・後期の出願期間や合格発表の細かい日付は、別の資料(実施要綱)に載っています。日程表のPDFには、そのほかの日付が図として示されています。確実な日付は、県の「令和9年度入学者選抜に関すること」のページで確かめてください。
受験生・保護者が気をつけること
ひとことで言うと:「前期と後期は見られるものが違う」と「特色選抜と連携型選抜は同時に受けられない」の2点を、早めに頭に入れておきましょう。
- 前期の点数は後期に使われない:後期選抜は調査書、面接、小論文(または作文)で判定されます。後期を考えるなら、面接や作文の準備も必要です。
- 前期で合格すると後期は受けられない:前期選抜または連携型選抜に合格した人は、後期に出願できません。
- 志望校の「志願してほしい生徒像」を読む:特色選抜を考えるなら、学校が示す生徒像と、自分の志望理由が合っているかを確認しましょう。
- 配点は学校ごとに違う:傾斜配点や、学力検査と調査書の比重は学校の判断です。志望校の選抜方法を、県の「各高等学校の選抜方法一覧」で見ておきましょう。
- 連携型の対象校の中学校に通う人:連携先の高校の特色選抜には出願できません。連携型選抜か一般選抜か、中学校の先生と早めに話し合っておくと安心です。
よくある質問
前期選抜の学力検査は、全員が受けるのですか?
はい。前期選抜の志願者全員に学力検査があります。全日制は国語・社会・数学・理科・英語の5教科です。定時制は学校の判断で教科を減らせます。
前期の学力検査の点数は、後期選抜で使われますか?
使われません。後期選抜は、調査書、面接、小論文(または作文)の結果を資料にします。
連携型選抜に出願した人は、一般選抜も受けられますか?
受けられます。同じ高校の一般選抜にも出願でき、その場合は連携型選抜、一般選抜の順に合否が判定されます。ただし、特色選抜との併願はできません。
出典:福島県教育委員会「令和9年度福島県立高等学校入学者選抜における基本方針」/同「連携型中高一貫教育に係る基本方針」/同「入学者選抜関係日程」(いずれも発表:2026年9月11日、確認:2026年10月28日)。最新の情報は必ず教育委員会・志望校の公式発表で確認してください。
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